フルリノベーションってなに?
フルリノベーションは、建物の基礎や柱、梁などの骨組みを残しつつ、内部のレイアウトや外観を完全に作り直す大規模な改修工事の手法です。
既存の構造を活かしながらも、新たな設計を取り入れることで、理想の住まいを実現する絶好の機会となります。
建て替えと比べると、設計の自由度はやや制約されますが、しっかりとした土台を活かしつつ、柔軟なアプローチで新しい空間を創造することが可能です。
最も適したタイミングはいつ?
フルリノベーションに最も適したタイミングは何でしょうか?一般的には、建物の外壁や屋根、水回り設備などに劣化が目立ち始める築10~15年目前後が、リフォームを検討するベストな時期とされています。
では、具体的にフルリノベーションを行う最適なタイミングは築何年までなのでしょうか?
フルリノベーションは築何年までが良い?
フルリノベーションを検討すべき適切な時期は、一般的には建物の経年に関連しており、目安としては築20~30年ほどが挙げられます。
ただし、注意が必要なのは単に経過した年数だけでなく、ライフスタイルの変化も重要な要素となるという点です。
例えば、子供が独立し夫婦2人だけの生活に移行したり、あるいは親と同居することになったりするなど、大きな転機が訪れ、現在の間取りが不便に感じられるようになった時が、フルリノベーションを行う適切なタイミングと言えます。
戸建て住宅をリノベーションするメリット
住宅を自由に変更可能
戸建て住宅は、マンションとは異なり、管理規約や制約がほとんどありません。この点が、窓から水回り、ベランダまで、住宅全体を自由にリノベーションできる大きなメリットです。制約がないため、個人の判断でリノベーションのスケジュールや使用する素材、工事方法を自由に決定できることも、また一つの魅力と言えるでしょう。
新築戸建ての購入と比較して安い
新築の戸建て住宅を購入することが予算的に難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。特に都市部では土地の価格が高騰しており、そのために戸建て住宅を諦めてマンションを選ぶ方も増えています。しかし、中古の戸建て住宅を購入し、それをリノベーションするという選択肢を検討することで、予算を抑えることができます。
リノベーションを行う場合、新築の注文住宅と比較して費用を削減できます。さらに、リノベーションプロジェクトでは、内装を自分の好みに合わせることが可能です。これにより、まるで注文住宅を建てるような感覚で、自分にぴったりのカスタマイズされた住まいを実現することができます。
資産価値が下がりにくい
戸建て住宅を所有する場合、建物と土地の両方を手に入れることができます。建物の価値は時間とともに減少していく傾向があります。築年数やその他の条件に依存することもありますが、中古の戸建て住宅を購入する際、多くの場合、購入価格の大部分が土地の代金に充てられます。そのため、資産価値の減少リスクは比較的低いと言えます。
建て替えとは何が違う?
建て替えは、基礎を含めて建物全体を取り壊し、一度すべてをクリアにした後に新しい住宅を建てることを指します。つまり、スケルトンから全てを解体し再構築するのが建て替えです。このプロセスにはかなりの費用がかかります。建築家やハウスメーカーによって費用は異なりますが、一般的な目安として、建坪×50万円前後と言われています。つまり、40坪の家の場合、約2,000万円かかります。さらに、各種の税金も加算されます。
一方で、フルリノベーションは、一般的には800万円前後から1,200万円前後が平均的な相場でしょう。建て替えに比べて費用を抑えることが可能です。
フルリノベーションは時間がかかる?
フルリノベーションを検討する際には、長期的な視野でスケジュールを計画することが重要です。
フルリノベーションの課題の1つは、工期が比較的長くかかることです。
一般的には、工期は4ヶ月から6ヶ月程度を見込む必要があります。
また、リノベーション会社を選定するためにも時間が必要です。ネットでの紹介記事や専門誌を参考にしながら、実績を確認しつつ、じっくりと探すことが重要です。
これらの手順を踏む必要があるため、スケジュールを設定する際にはかなりの余裕を持つことが大切です。早めに行動を起こし、計画を進めることをおすすめします。
リノベーションする際の注意点
追加工事が必要になるケースも
中古住宅のリノベーションにおいては、工事を始めてから追加工事が必要になることがあることを考慮する必要があります。たとえば、古い建物の場合、図面が見当たらないか、図面と実際の状況が一致しないことがよくあります。こうした状況では、既存の内装を解体した後に変更が必要になったり、追加工事が必要になることもあります。設計段階で工事業者と協力し、追加工事が発生する可能性を詳細に検討し、必要に応じて追加工事の概算費用を尋ねておくことは安心感を持つために大切です。
確認しておくべき「再建築不可物件」
「再建築不可」とは、建物を撤去し、新たに建て替えることが難しい状況を指します。昔ながらの住宅密集地には、車が建物の前まで進入できず、玄関に到達するには少し歩くことが必要な場所があります。こうした場所に建てられた建物は、現行の建築基準法が導入される前に建設されました。現行法によれば、幅4メートル以上の道路に2メートル以上の土地が接していない場合、新しい建物を建てることはできません。
建て替えが難しい場合でも、内装のリノベーションを通じて、快適な住環境を創り出すことが可能です。ただし、通常の戸建住宅と異なり、建築物の床面積を増やすような大規模な改修工事には建築確認申請が通らない可能性があるなど、注意が必要です。このようなケースを検討する際には、事前に専門家に相談することをおすすめします。
諸経費も忘れずに!
中古住宅を購入し、リノベーションを行う際には、物件購入費の10~20%ほどを諸費用に充てる必要があります。具体的には、引っ越し費用、火災保険料、登記料、不動産取得税、そしてローンを利用する場合の保証料や手数料などが含まれます。
思いがけない支出も考慮しましょう!
リノベーション工事は、計画通りに進むことができないこともあります。建物の劣化が予想以上で、追加工事が必要になったり、工事期間が延びてしまったりすることは珍しくありません。工期の延長が起こると、引っ越しの再調整が必要になりますし、現在の住居からの退去日がずれる場合、一時的な仮住まいの費用もかかる可能性があります。
また、新しく生まれ変わった家には既存の家具が合わないことも考えられます。そのため、家具の買い替えにも予算を確保しておくことが重要です。予算とスケジュールの計画を余裕をもって立てることで、不安要素を最小限に抑えましょう。