リノベーション工事にかかる費用の相場は?
マンションの場合、一般的にはリノベーションにかかる費用は1,000万円以下で収まることが多い傾向です。具体的なリノベーション費用の範囲は、主に250万円から500万円、または500万円から750万円の間に位置し、これらのゾーンが全体の約半数を占めています。一方、戸建て住宅の場合、中心価格帯は750万円から1,000万円になります。
リノベーションに必要な費用は、間取りや水まわりの変更、またはフルリノベーションなど、リノベーションの規模によって大きく異なります。
リノベーション費用が上下するポイント!
リノベーションの費用にはさまざまな要素が含まれます。具体的には人件費、資材・設備費用、デザイン・設計費用などが挙げられますが、費用の観点で最も重要なのはリノベーションの範囲や仕上げの品質などの要素です。
リノベーションの範囲が広がるほど、それに伴って資材費などのコストが増加し、作業量が増えるため、人件費も上昇する傾向があります。また、間取りの大幅な変更や水まわりの配置変更など、工事の内容が変わる場合も、費用に大きな影響を及ぼすことがあります。
さらに、重要な要素は「何を行うか」だけでなく、「どのように仕上げるか」も考慮すべきです。仕上げの品質やグレードによって、費用が大幅に異なるため、予算に合わせるためには仕上げの品質を検討し直すことが必要かもしれません。
ここでは費用を大きく左右するリノベーションの範囲について、詳しく解説いたします。
範囲で分類 – リノベーションの種類
リノベーションの種類は、実施範囲に応じて3つの異なるカテゴリに分けることができます。具体的には、フルリノベーション、表層リノベーション、そして部分リノベーションの3つです。
フルリノベーションは、費用面で最も高額になります。一方、表層リノベーションと部分リノベーションは、範囲によっては比較的費用が低く抑えられることが特徴です。
リノベーションの自由度について言えば、やはりフルリノベーションが最も高い自由度を提供します。ただし、その代わりに、施工期間が長くなることがあり、仮住まいなどの準備が必要になることも考えられます。
フルリノベーション
フルリノベーションには、建物全体を改装する必要があるため、それに伴う費用は高額になりますが、自分の好みに合わせてリノベーションを行うことができるため、その自由度が人気の要因です。
現在、古い築年数の中古マンションや一戸建てなどをお手頃価格で購入し、その後にフルリノベーションを施す方法が広まっています。これによって、理想的な衣住空間を実現することができます。
ただし、注意すべき点も存在します。リノベーションにかかる時間が長くなる可能性や、自分の理想を明確に伝えないと、思い描いていた通りの仕上がりにならない可能性があります。特に、入居しながらのフルリノベーションを行う場合、仮の住まいを探す必要があることも覚えておくべきです。
表層リノベーション
表層リノベーションは、建物の外観や見た目を改善するために行われる方法です。通常、比較的新しいマンションや一軒家を購入し、設備に大きな問題はないが外観を変更したい場合に選択されます。
この方法は一般的に費用が抑えられる傾向がありますが、将来的には設備の交換などが必要になる場合もあるため、長期的な費用を考慮する際には注意が必要です。配管などの設備は既存のものを使用するため、劣化が進行すると交換が必要になる可能性があります。そのため、表層リノベーションが最終的には費用が高くつく場合もあることに留意してください。
部分リノベーション
部分リノベーションは、特定の箇所に焦点を当て、希望するリノベーションを行う方法です。これは、完全なリノベーションに比べて費用対効果が高い選択肢と言えます。
特に、部分リノベーションで人気のある箇所は、キッチン周りや浴室などです。中古のマンションや一軒家を購入した場合、水回りの部分リノベーションが積極的に行われていることが多いでしょう。
また、子供が独立した後に余った部屋を大きくするために壁を取り扱い、広々としたスペースにリノベーションする例や、子供部屋を書斎や趣味の部屋に変えるなど、さまざまな種類の部分リノベーションが行われています。
予算内で理想をかなえるポイント!
優先順位をつけて、どの部分に予算を割り当て、どの部分を抑えるかを決定しましょう!
リノベーションにおいて、デザインや仕上げなどの細部に徹底的にこだわりたい場合と、最低限の費用に抑えたい場合とでは、かかる費用が異なります。施工会社などに全体の予算のアイデアを伝え、もし全てを実現するためには予算をオーバーしてしまう場合でも、優先度の低い要素を調整することができるかもしれません。
諸経費も忘れずに!
中古住宅を購入し、リノベーションを行う際には、物件購入費の10~20%ほどを諸費用に充てる必要があります。具体的には、引っ越し費用、火災保険料、登記料、不動産取得税、そしてローンを利用する場合の保証料や手数料などが含まれます。
思いがけない支出も考慮しましょう!
リノベーション工事は、計画通りに進むことができないこともあります。建物の劣化が予想以上で、追加工事が必要になったり、工事期間が延びてしまったりすることは珍しくありません。工期の延長が起こると、引っ越しの再調整が必要になりますし、現在の住居からの退去日がずれる場合、一時的な仮住まいの費用もかかる可能性があります。
また、新しく生まれ変わった家には既存の家具が合わないことも考えられます。そのため、家具の買い替えにも予算を確保しておくことが重要です。予算とスケジュールの計画を余裕をもって立てることで、不安要素を最小限に抑えましょう。